骨董ミニカーの価値

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骨董ミニカーの価値は、「ミニカーとしての発売時点での価値」が基本としてある。さらに、その上に骨董的価値の要素が加えられる。骨董的価値とは、「愛着」と「経年変化」であり、それは「部品の欠損、塗装の剥がれ、傷やへこみ、色褪せ等のダメージ」に表象される。このような愛着と経年変化はストーリーの上で位置づけられる。

そして、骨董的価値の評価こそが重要であり、そこには美がなければならない。この美を評価・議論するのが骨董ミニカーレビュー(Antique Mini Car Reviews)である。



ミニカーの経年ストーリー

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骨董ミニカーは、生産され、販売され、所有された後、どのような経緯を経て今日まで至っているのかというストーリー(story)が重要な価値判断の基準となっている。このストーリーは、何か劇的なものがある必要はない。有名人や英雄が所有したり、購入したという事実も必要はない。

確かに、有名人や偉人が子供に買ってあげたものであったり、親から買ってもらったものであれば、それだけで何かしらの価値が生じそうな気がする。しかし、このような特別なストーリーが必要なわけではない。重要なことは、ミニカーに刻まれた外形的な変化、傷やへこみ、塗装の剥がれ、部品の欠損などの美的な位置づけと、そのストーリーの組合せに価値が生じることになる。

どんなに有名な人が遊んだとしても、その外形的な変化が美的に特別の価値が生じないようなものであれば、「有名人アドバンテージ」はあまり発揮されない。重要なことは外形的な変化が骨董ミニカーにどのように刻まれているのかということにある。

ストーリー×経年変化(外形的変化)であるとともに、経年変化がそれ自体で、どれだけ、美的に価値があるかに骨董ミニカーの価値が決定されるのだ。



骨董ミニカーの世界

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骨董ミニカーとは何でしょうか。骨董ミニカーについて説明します。

骨董といえば、アンティーク、時代がかった物品、年代を経た物品を収集したり、愛でたりする趣味のことをアンティークと一般的に呼んでいます。このアンティークの対象は、かつては古美術や書画など、一定の物品に限られていましたが、今日では様々な物品がアンティーク、骨董の対象として認識されるようになりました。

例えば、昭和家電などは骨董的収集の対象です。家電といえば、生活に役立つことが第一で、それを鑑賞や収集の対象として愛でるなどということは長らくなかったことでしょう。しかし、今日の骨董世界では、十分に骨董的価値がある物品として認識されているのです。

このように、骨董の対象は広まり、ほぼすべての者が骨董的趣味の対象となっています。その中で、ミニカーは従来からコレクションの対象としてマニア集団が形成されていた物品です。しかし、これらのマニアはどちらかといえば、きれいなミニカーを保持することが重要でした。

しかし、ミニカーはそもそも子供時代に遊び、大切な時間を共有してきたミニカーを前提として、その体験を大人になってコレクションの対象として展開したものであることが多いです。

その意味でいえば、ミニカーは時代がかっている方が価値があるといえるでしょう。言い換えれば、傷やへこみ、塗装の剥がれ、部品の欠損などです。このような使用感、経年変化の中に美を見出すことに重要性があるのです。きれいなミニカーなど大量生産で中国やアジアで生み出されているのですから、そこに物品としての価値はありますが、骨董としての価値はありません。

骨董ミニカーとしての価値は、それを使ってきたストーリーと、愛着、経年変化、使用感(部品の欠損、塗装剥がれ、傷、へこみなど)が美として形成されているかどうかにかかっているのです。

骨董ミニカーの世界にようこそ。



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